堀川哲『エピソードで読む西洋哲学史』(PHP新書 2006)
図書館でタイトルを見てなんとなく手に取ってみた一冊。
- 作者: 堀川哲
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/04
- メディア: 新書
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紹介(出版元より)
ヘーゲルやマルクスは私生児の存在を暴かれ、ルソーは五人の子捨てを告発された。ウィトゲンシュタインは同性愛が執拗に調査され、サルトルの不倫遍歴は、 愛人ボーヴォワールに暴露される。また、ニーチェは発狂してから死ぬまでの十年間、ほとんど廃人であったという。さらに、カント、スピノザ、ホッブス、 ヒューム、ハイデガー、フロイトなど、思想史を彩るスーパースターたちの私生活をのぞき見れば、意外な素顔が隠されていた!?
彼らは、不条理な世界と人生をどのように理解し、渡り歩いたのか。生い立ち、学歴、異性関係、挫折体験、死に際などの逸話を拾い集め、その思想のルーツを探る。好奇心、やじうま根性なくして哲学は語れない!
終章では、現代アメリカを代表する哲学者・リチャード・ローティ、ノーム・チョムスキー、ジョン・ロールズなども取り上げている。近代から現代に至るまで、約四百年の潮流が手に取るようにわかる、おもしろ哲学入門。
感想
偉大な哲学思想を残した高名な哲学者も、その人となりを見れば奇人・変人の類である人物が多い。哲学というと難解で高尚なイメージがつきまとうが、本書は哲学者たちの裏話が面白おかしく書いてあり、軽い気分で楽しく読むことができる。それぞれの思想についても軽くではあるがかみ砕いて説明してあるので、読みやすい西洋哲学史の入門書としても良いかもしれない。約400ページと新書としては厚めだけれど、面白かったのでサクッと読めた。各々の哲学者の項の最後に読書案内があるのも親切。先日読んだノーマン・マルコムの『ウィトゲンシュタイン――天才哲学者の思い出』はここから知った。なんとなく手に取ったけど非常に良い本だった。